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若杉 圭一郎; 牧野 仁史; 小尾 繁*
GoldSim International User Conference 2004, 0 Pages, 2004/00
第2次取りまとめでの人工バリア中核種移行解析では、緩衝材外側に達した核種は掘削影響領域(以下「EDZ」)を通過する地下水と瞬時に混合し、その全量が周辺の母岩中の亀裂に移行するモデルを設定した。このため、EDZ内での核種の移行遅延効果については保守的に考慮しなかった。しかしながら、EDZは処分坑道掘削の影響を受けた岩盤として想定された領域であり、緩衝材外側に達した核種は、そこに接するEDZ内の亀裂部のみならずEDZ内の健岩部にも移行し、収着により遅延されることが期待される。本研究では、これらの移行プロセスを考慮し、より現実に即した評価を行うことを目的として、人工バリアおよびEDZを対象に2次元核種移行解析モデルを構築し、EDZの移行遅延効果について検討した。この結果,第2次取りまとめの結果と比較した場合、安全評価上最も重要な核種の一つであるCs-135の最大移行率で約1桁低減、その他の多くの核種も数分の1から短半減期核種では数桁程度低減した。このことから、人工バリア近傍の比較的狭い領域として考えられているEDZも天然バリアの一部として重要な役割を有している可能性が示された。